有機物を含んだ汚水などが流れ込む水底に堆積する汚泥をヘドロと呼んでいます。ヘドロをミクロの目で見ると微細な砂や粘土粒子が有機物の接着剤により連結された綿毛状構造となっています。(文献1,2)この構造の隙間に含まれる水(間隙水)には酸素がほとんど含まれておらず、有毒な硫化水素が溶けており普通の魚介類は生存できない環境となっています。このような環境では有機物の分解は進まず、汚水などの流入によって有機物の堆積がさらに進むという悪循環に陥るため、いったん底泥がヘドロ化すると容易には回復しない理由のひとつとなっています。
